先日3日(月)の日経新聞で、米医療日用品大手ジョンソン・エンド・
ジョンソン(J&J)の日本法人が、最大の社内カンパニー「メディカル
カンパニー」の経営層10名に指導力や意思疎通力を向上させる
「エグゼクティブ・コーチング」を導入してから1年経過したとの記事が
掲載されました。
その記事の中で、とても印象的なコメントは、メディカルカンパニー
副社長の日色保氏の以下のコメントです。
「コーチングは、期待される成果を上げていない人向けの支援と
思っていたが、そうではないとわかった」
日色氏にとって、コーチは、「鏡のような存在」で、後ろ姿も合わせ
鏡で見せてくれる客観的な視点を得られるとその効果を語っています。
コーチングを受ける過程で、「強引なだけではビジネスを進められない」
ということに気づき、自分のアプローチを振り返り、自分の強みと弱みを
振り返りながら組織を成功に導くマネジメントのあり方を自ら気付いて
軌道修正していることがわかります。
組織の中での位置づけが上位層になればなるほど、「影響力」に
ついて自分の力量を冷静に見つける機会が必要になってきます。
企業の商品・サービスの付加価値は、すべて現場で生み出されて
いますので、そうした現場の一人ひとりの行動を創り出している
現場リーダーへの影響力がその企業の成長性を大きく左右します。
皆さんの会社でも、「自分の強みと弱みを振り返りながら
組織を成功に導くマネジメントのあり方」を学ぶさまざまな機会や
仕組みが運用されているかと思います。
私は、十数年前にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のニュージャージー州
ニューブランズウィックにある本社にて、「Our Credo」と経営に関する考え方
について学ばせていただいた際に、この企業の根幹にある信念のすばらしさを
痛感して以来、いつも注目している企業ですが、その、「Our Credo」には、
「能力ある人々には、雇用、能力開発および昇進の機会が平等に与えられ
なければならない」という一節があります。それが、実際に今でも実践されて
いることに企業成長の根幹を確認できます。
コーチングもファシリテーションも、対象が「個人」なのか「プロセス」なのかの
違いがあるだけで、基本的には現在の状態から、目指す状態を実現する
ために伴走サポートする「はたらきかけ」ということでは同じです。
あまり、この両者の違いを論じても意味が無いので、いつも一緒にお話を
していますが、こうした「はたらき」をうまく活用して、個人の成長を促進し
ながら、その個人が影響を及ぼす対象やチームの良好な変化を生み出し、
全体としての企業成長を実現していくという組み立て自体は、非常に有効
なアプローチだと想います。
そして、これまでのサポート経験からわかることは、自分自身がコーチングや
ファシリテーションのサポートを受けて新しい変化を生み出したり、自分が
関係する他者への影響力の変化を体感した方は、自分自身が次には、
コーチングを行ったり、ファシリテーションを行って、目の前の状況や対象者
が望ましい変化を創出する動きをサポートする働きかけをしようと試みるよう
になっていきます。
人はなかなか客観的になれなかったり、自分のポテンシャルを引き出して
いくことが難しい場合がありますが、そんなときは、コーチやファシリテーター
のサポートを受けてみると、新しいチャンスや変化を感じられることと想います。
そうした新しいチャンスや変化を創出していきたいというリーダーには、
自分のステップアップを客観的な立場からサポートするしかけを活用する
方法として、一度調べてみるのもよいですね。
コーチングやファシリテーションサービスは、今では、いろいろなアプローチ
が行われています。皆さんにあった雰囲気や考え方で展開しているところ
をいろいろ探索してみられるとよいでしょう。
弊社では、ご本人の方の“ほんね”と向き合って一緒に目指すところに
進んでいく“アットホーム”なコーチング&ファシリテーションサポート
をご提供させていただいておりますので、そうした雰囲気がお好きな方は、
お気軽にご相談ください。
それでは、また来週!
フジコーポレーション株式会社
ファシリテーター(企業変革人材養成サポーター)
加 藤
2011年10月05日
J&J「メディカルカンパニー」全経営層にコーチング導入
posted by FUJICO at 08:00| EQコーチング
2011年09月28日
木村尚三郎氏から学ぶ「時代を見る眼」
一昨日の26日(月)に、「時代を見る目」や、一人ひとりの「生き方」を
考える上で、大変興味深い講演を聴いてきました。
岡山に本社がある Benesse Corporation にて、Benesse Evening
University 特別編として、「福武会長が洞察するこれからの世界」と
題した講演です。
取締役会長の福武 總一郎氏のこれまでのさまざまな取り組みの
裏側にある意味や、そうしたものを生み出してきた自分の内面から
の想いという、これまでの講演ではあまり聴けなかった領域に踏み
込んだ貴重なお話でした。
福武会長のこれまでの取り組みに大きな影響を及ぼしたという
木村尚三郎氏の著書『「耕す文化」の時代』の中からいくつかの
一節が投影されました。これがなかなか深い一節ばかりでした。
今一度、考えさせられる含蓄あることばがそこに息づいていました。
木村尚三郎氏は、東大名誉教授で、著名な西洋史学者であり、
そして80年代半ば頃に「N響アワー」の司会をされていました。
さらには、まちづくり市民運動にも…とものすごくパワフルでかつ時代
を読む眼力がすごい方です。
上記書籍の出版は、1988年2月でしたが、この時期に、今読んでも
先見性があると感じられるほど、今の日本が立ち止まって向き合うべき
方向性への手がかりを示していると感じます。
わたしが探索した木村尚三郎氏のもう一冊の本「折り返し点からの
発想 日本の突破口は何か」…これも、今読んでもうなってしまう
なかなか先見性ある一冊です。
これからの日本が立ち返って考えるべきところを一人静かに考える上
では、ぜひ一読していただきたいので、中身はあまり紹介しないほうが
よいでしょう。
気になったキーワードだけすこし列挙しておきますので、内容を想像
してみてくださいね。
◆前進だけの時代は終わった
◆人の行く裏に道あり花の山
◆下り坂に迷う日本〜 志の不在と政治不信
◆「近代」の常識からの大転換
◆「高品質」より「楽しさ」を売る時代
◆伝統も自然も創造すべきもの
◆戦後五十年からの脱却−−−−戦国・江戸五百年の視野から
わたしたちが今一度見つめ直す原点があると感じました。
そして、福武会長の講演の後半は、世界と今の日本についてお話が
進みましたが、今一度、世界に目を向けた上で、その世界の中での
一つの選択肢としての日本という感覚を改めて感じることができる
機会となりました。
当日は、これまで福武会長が20年もの歳月をかけて取り組んできた
活動が、Iwan Baan氏 (2010年ジュリアス・シュルマン写真賞を受賞
した世界最先端の建築家とコラボレートしているカメラマン)の写真に
よって描かれた『Insular Insight: Where Art and Architecture
Conspire With Nature Naoshima, Teshima, Inujima 』の紹介も
行われ、Iwan Baan氏の特別講演も聴くことができました。
この『Insular Insight』 は、英文の洋書ですが、 Iwan Baan氏 に
よって撮影された写真があまりにもすばらしいため、わたしも当日
思わず購入してしまいました。
通常のアート本は、作品が羅列して映っているだけですが、この
『Insular Insight』でのIwan Baan氏の写真では、アート・自然・
住民・旅人・運営スタッフが渾然となって、見る人を想わず笑顔に
する力があるのがとても感動ものです。
当然ながら本の中身が見られるところはないのですが、一部だけ
風景的なショットが映っているデザイン誌のWEBがありました。
http://www.fontanel.nl/inspiration/insular-insight/
ご紹介した 「アート・自然・住民・旅人・運営スタッフが渾然と
なった」写真は、実物でぜひご覧いただきたい一冊です。
それでは、また来週!
フジコーポレーション株式会社
ファシリテーター(企業変革人材養成サポーター)
加 藤
考える上で、大変興味深い講演を聴いてきました。
岡山に本社がある Benesse Corporation にて、Benesse Evening
University 特別編として、「福武会長が洞察するこれからの世界」と
題した講演です。
取締役会長の福武 總一郎氏のこれまでのさまざまな取り組みの
裏側にある意味や、そうしたものを生み出してきた自分の内面から
の想いという、これまでの講演ではあまり聴けなかった領域に踏み
込んだ貴重なお話でした。
福武会長のこれまでの取り組みに大きな影響を及ぼしたという
木村尚三郎氏の著書『「耕す文化」の時代』の中からいくつかの
一節が投影されました。これがなかなか深い一節ばかりでした。
今一度、考えさせられる含蓄あることばがそこに息づいていました。
木村尚三郎氏は、東大名誉教授で、著名な西洋史学者であり、
そして80年代半ば頃に「N響アワー」の司会をされていました。
さらには、まちづくり市民運動にも…とものすごくパワフルでかつ時代
を読む眼力がすごい方です。
上記書籍の出版は、1988年2月でしたが、この時期に、今読んでも
先見性があると感じられるほど、今の日本が立ち止まって向き合うべき
方向性への手がかりを示していると感じます。
わたしが探索した木村尚三郎氏のもう一冊の本「折り返し点からの
発想 日本の突破口は何か」…これも、今読んでもうなってしまう
なかなか先見性ある一冊です。
これからの日本が立ち返って考えるべきところを一人静かに考える上
では、ぜひ一読していただきたいので、中身はあまり紹介しないほうが
よいでしょう。
気になったキーワードだけすこし列挙しておきますので、内容を想像
してみてくださいね。
◆前進だけの時代は終わった
◆人の行く裏に道あり花の山
◆下り坂に迷う日本〜 志の不在と政治不信
◆「近代」の常識からの大転換
◆「高品質」より「楽しさ」を売る時代
◆伝統も自然も創造すべきもの
◆戦後五十年からの脱却−−−−戦国・江戸五百年の視野から
わたしたちが今一度見つめ直す原点があると感じました。
そして、福武会長の講演の後半は、世界と今の日本についてお話が
進みましたが、今一度、世界に目を向けた上で、その世界の中での
一つの選択肢としての日本という感覚を改めて感じることができる
機会となりました。
当日は、これまで福武会長が20年もの歳月をかけて取り組んできた
活動が、Iwan Baan氏 (2010年ジュリアス・シュルマン写真賞を受賞
した世界最先端の建築家とコラボレートしているカメラマン)の写真に
よって描かれた『Insular Insight: Where Art and Architecture
Conspire With Nature Naoshima, Teshima, Inujima 』の紹介も
行われ、Iwan Baan氏の特別講演も聴くことができました。
この『Insular Insight』 は、英文の洋書ですが、 Iwan Baan氏 に
よって撮影された写真があまりにもすばらしいため、わたしも当日
思わず購入してしまいました。
通常のアート本は、作品が羅列して映っているだけですが、この
『Insular Insight』でのIwan Baan氏の写真では、アート・自然・
住民・旅人・運営スタッフが渾然となって、見る人を想わず笑顔に
する力があるのがとても感動ものです。
当然ながら本の中身が見られるところはないのですが、一部だけ
風景的なショットが映っているデザイン誌のWEBがありました。
http://www.fontanel.nl/inspiration/insular-insight/
ご紹介した 「アート・自然・住民・旅人・運営スタッフが渾然と
なった」写真は、実物でぜひご覧いただきたい一冊です。
それでは、また来週!
フジコーポレーション株式会社
ファシリテーター(企業変革人材養成サポーター)
加 藤
タグ:木村尚三郎 時代