2012年02月19日

長谷部 誠の 「心を整える」 〜わたしも痛感して実践している2つをご紹介

ワールドカップサッカー日本代表キャプテンとして、チームを勝利へ導いた長谷部誠さん。
彼の著書『心を整える〜勝利をたぐり寄せるための56の習慣〜』はとても自然体で学べる
すばらしい本だ。
この書籍の紹介文を少し引用してみよう。

「長谷部誠はサッカー選手としては、特に特徴がある選手ではない。試合を決定する
フリーキックが蹴れるわけではないし、突出したテクニックを持っているわけではない。
だが、彼はあらゆる指揮官に重宝される日本代表の中心人物だ。それに加え、浦和レッズ
ではタイトルを総なめにし、移籍したドイツでは、クラブチームを初優勝に導いた。
そして、記憶に新しいアジアカップでのチーム優勝……。彼は一体何を持っているというのか。
それは、類まれなるメンタルコントロール力にある。心はよく「鍛える」「磨く」などと
表現されるが、長谷部誠は違う。心を「整える」のだ。生活のリズム、睡眠、食事、そして、
練習。日々の生活から、心に有害なことをしないように、少しでも乱れたら自分で整える。
そうすることによって、いかなる試合でも、いかなる場面でも揺らぐことがなく、ピッチで
力が発揮できるという。実践することはいたってシンプルながら、だからこそ、慌しい現代
では意識をしないと難しいもの。力を抜いて無理なく自然体で行える姿は、まさに彼の心情
が姿勢として表れている証明だろう。今最注目のアスリートのビジネスでも、スポーツでも、
あらゆるシーンで応用できる新メンタルコントロール術!」

メンタルコントロールの力は、自分やチームの成果を左右する大きな力になるということを
改めて確認させてくれる。

その中には、わたし自身も特に意識して取り組んでいるものがたくさんあるので、今回は
その中から2つ取り上げてみよう。

一つ目は「意識して心を鎮める時間を作る」だ。

彼はチームとしての行動の時間が終わると、自分の部屋へ戻り、「心を鎮める30分間」を作る。

彼のその方法は書籍を見てほしいが、彼のコメントで重要なのは「大事なのは、ザワザワと
した心を少しずつ沈静化していくことだった。練習と緊張でざらついた心をメンテナンスして
あげるのだ。」というところ。

この気持ちにはとても共感する。まさに私自身も毎日、朝起きたときと、就寝前の時間をとって
行なっている。彼とは別の、わたし独自の方法でそれを行なっているが、いずれにしても体の中が
まさに整っていく感じを味わいながらすすめるとよい。

彼がこうしたことの大切さに気づいたのは、彼がドイツに移籍してからと記述されている。
短いオフの期間にに帰国した際、さまざま予定を入れすぎ、忙しすぎて心身ともにすり減って
クタクタになり、頭が回らず、会ってくれた人にも失礼なことをしてしまっている・・・と感じ始め、
これではいけないと思ったという。

そんなとき、京セラ創業者の稲盛和夫さんの書籍の言葉「一日1回、深呼吸をして、必ず心を
鎮める時間を作りなさい」と出会った。まさに自分に必要な習慣だと痛感し実践するように
なった。この習慣があったからこそ、どんなに葛藤を抱えていても、翌朝には平常心で部屋を
出ていくことができたということだ。

もう1つは、「正論を振りかざさない」ということ。

孔子の言葉・・・「直にして礼なければ即ち絞す」を引用している。
正義感が強すぎて、真面目すぎると、かえって周囲を絞めつけてしまう・・・という意味だ。
彼は、この言葉を初めて見たとき、ドキリとしたという。まさに自分のことを言われている
ような気がしたのだ。彼のそう感じた過去の場面については、実際に書籍をみていただきたい。

彼はそれ以来、正論を振りかざしたら、かえってまわりに迷惑をかけてしまうことがあると
いうことを肝に命じている。

これは私自身も若い頃に苦い思い出が多い。やるべきこと、なすべきこと、あるべきことを
明確にして徹底させようという真面目さが強すぎて、強引さが出すぎていたように思う。
お互いに意識が高まるもっと上手な収束のさせ方があったなと今では強く反省している。
そうしたこともあって今のわたしのファシリテーションのベースに、メンタルコントロールを
置いている。

こうしたメンタルコントロールの背景にあるのは、自他の「感情」である。

この自他の「感情」を、それぞれが本来持っている最高の力を発揮できるような状態に変換
していくことができれば、一人ひとりの行動は成果創出に向けて動き出す。

私自身の若いリーダー時代の反省も踏まえて、リーダーになった早期の段階で、こうした
自他の「感情」を、それぞれが本来持っている最高の力を発揮できるような状態に変換して
いくスキルを身に付けてほしいと願っている。

今回順次ご紹介している若手・中堅リーダーがチーム成果を創出できるリーダーになるための
5STEPをwebのビデオ映像で紹介している。

特に、ステップ3では、リーダーになったばかりの方や、ご紹介したような自他の「感情」
コントロールがうまくできず、チームがバラバラになってしまって困っているリーダーに
とって参考になる『EQ』についてご紹介しているので、以下から参照してほしい。
(まだ、ビデオの視聴登録をしていない方は、以下から登録することで、視聴可能に。)
http://bit.ly/wDxRky

『EQ』は、人がそれぞれ本来持っている力を最高な状態で発揮する上でとても重要な能力だ。
ぜひ、20代〜30代の若い時期に習得してほしい。
posted by FUJICO at 11:52| メンタルマネジメント
bnr_inquiry.png