朝日新聞の毎週土曜日に発行されている「BE」という人気の
紙面で、先週の4月2日(土)から、友人の岸良裕司さんが、
新コーナー「職場の理不尽」の執筆者として2週間に1回程度
のペースで登場することになりました。
岸良裕司さんは、あの『ザ・ゴール』で有名なエリヤフ・ゴール
ドラット博士が、自らヘッドハンティングして、今や「ゴールド
ラット・コンサルティング」のディレクターとして全世界で活躍
している方です。
その第1回目の読者からの質問、「無能な上司がでしゃばります」
に対して、岸良さんが正面から向き合っていますので、ぜひ社内
で「BE」をご購読されているのであれば、紙面をご確認して
みてくださいね。非常に参考になるアドバイスですよ。
今回のニュースレターをお読みいただいた後に、岸良さんの
紙面をお読みいただくと、私のお伝えしたいメッセージが
よりリアルにお伝えできることと思います。ご参考までに。
上記の岸良さんの紙面でも、リーダーについて言及して
いますが、最近では、いろいろなメディアや雑誌で、
管理職として成果を出す術や、リーダーシップについて
の特集が多く組み立てられています。
こうした国難の時期だからこそかもしれません。
ちょうど、先週発売の週刊東洋経済(4/9号)でも、『危機を乗り
切るリーダーシップ』という特集が組まれていました。
皆さんもご覧になりましたでしょうか?
この記事の中で、注目すべきデータが掲載されていましたので、
ここで、皆さんと共有したいと思います。
データの出所としては、「経営人材ニーズに関する実態調査2011」
(経営者JP)からで、注意書きとして、速報データ(100サンプル)
のうち「対象者がいない」という回答を除いた集計値として提示
されていた情報です。
(1)課長クラスが不足しており、外部からの採用を
検討または実施・・・24.3%
(2)課長クラスが不足しており、内部での育成と
昇格を検討または実施・・・32.4%
上記の合計=56.7%という割合で、課長クラスが不足している
状況にあるということです。中間管理職の人材不足なのです。
さらには、
(3)部長クラスが不足しており、外部からの採用を
検討または実施・・・33.3%
(4)部長クラスが不足しており、内部での育成と
昇格を検討または実施・・・29.5%
上記の合計=62.8%という割合で、部長クラスも不足している
状況にあるということです。
課長以上に、部長クラスが人材不足となっているわけです。
さらには、現在の経営人材の課題、不満な点として・・・
「経営レベルに人材の質が追いつかない」=50%
「リーダーシップ不足」=28%
「経営スピードに人材が追いつかない」=25%
以上のように、多くの企業でリーダー人材が不足していることが
明らかな状況です。
詳細な記事内容までは記載できませんが、その後は、以下のような
領域について展開されています。
◆事業継続計画(BCP)
◆リスクマネジメント
◆モチベーションマネジメント
◆セルフモチベーション
◆コーチング
◆30歳問題
◆メンタルヘルス
いろいろな領域についての解説がなされていますが、
ここで、一つ、立ち止まって考えてみて頂きたいのは、
解決策の方法論にすぐに入るのではなく、
まずは、皆さんの会社が直面している課題は「何」か?
・・・ということを確認していただくということです。
皆さんの会社が直面している課題は「何」でしょう?
どのようなことを課題として認識していらっしゃいますか?
ここで、多くの項目が続々と出てきてしまう場合には、きっと
社内では、問題解決が進んでいないと思います。
問題解決で非常に重要なことは・・・
「根っこの課題(本質的な課題)」と「さまざまな症状として
起きている現象(事象)」とを識別できることです。
これが出来ていないと、「さまざまな症状として起きている現象
(事象)」ごとへの対処療法をすることになり、いつまでたっても
社内の混乱状況は収束できません。
ある症状を抑えたとしても、根っこの課題が解消できていないと、
別の症状が現れるだけです。
こうした厳しい状況下の中、問題解決に向かう姿勢やアプローチ
方法を習得することが、リーダーには求められています。
困難な場面に遭遇しても「できない」「無理」という感情に負け
てしまうことなく、全体の現象を俯瞰した上で、症状と根っこの
課題を識別し、本質的な課題を解決していくスキルと行動力があれば、
「革新を実現させるリーダー」として、まさに今、経営で必要と
される人材として活躍できるチャンスです。
ただし、ここで重要となってくるのが、メンバーや関係者の
感情を識別する力です。
今回の都知事選では、東日本大震災を受けて、都民の間には、
「震災による不安感が広がり、変革よりも強いリーダーシップ
による安定を選択」という結果になりました。
これこそ、(不安感・危機感という)「感情」が(投票という)
「行動」に影響を与えた最新事例でしょう。
企業においても創業時は、強いリーダーシップで牽引する
ことで、厳しい状況の中でも、メンバーの感情を前向きに
転換して突き進むことが重要ですが、
成長期に入ると業務が多岐に渡り、スピードも速くなって
いきますので、今度は、メンバー自身がリーダーからの直接
指示によって動くのではなく、主体的に考え行動していくこと
が不可欠になってきます。この主体性を生み出すためには、
その過程で成長感を味わう場面や局面を意識して創っていく
ことが必要となります。
こうしたメンバーの感情を識別しながら、期待する状況
を創り出したり、期待している行動を意識して実践したり
する力が伴うと、リーダーの独り相撲という状況がなくなり
チームとして、組織として、成果を生み出す動きを創って
いくことができます。
この力が、これまでにもお伝えしてきました「EQ」を
理解したリーダーシップ&マネジメントなのです。
今、私の方では、facebookを通じて、この「EQ」を使った、
リーダーシップスキルに関する情報を発信しています。
http://on.fb.me/gG1bqf
ぜひこちらも確認してみてくださいね。
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読むことができますので、ぜひご覧頂き、ご意見を
きかせてください。
それでは、また来週!
フジコーポレーション株式会社
ファシリテーター(企業変革人材養成サポーター)
加 藤