日経新聞1月16日(月)の『経済教室』に、とても興味深い論考が掲載されています。
これは、チーム行動に変化を生み出したいと考えているリーダーや、組織を取り巻く状況が大きく変化する中で社員の行動ベクトルを転換させる必要に迫られているマネージャーの皆様にとって、非常に有効な観点です。とてもわかりやすい論考ですので、今回ご紹介してみたいと思います。
経済全体の価格や産出量の動きの描写には有効な伝統的経済学が、個々の人々の行動の説明が合理的に行えない限界から、行動経済学をもとにそれを解明する有効性について論じています。
重要な基本説明部分を引用してみますね。
「伝統的経済学では、人々は得られる情報をすべて用いて自分の満足度を最大にする選択肢を選ぶと想定するので、デフォルトが何であっても選ばれる選択肢には違いがないとされてきた。・・・行動経済学では、人間行動に限られた時間の中で直感的に意思決定する特性があるとされる。特によく知られるのがデフォルト(初期設定)、つまり選択肢の中で最初に設定されていた回答を選ぶという無意識のクセを伴う影響だ。人々はいくつかの選択肢を与えられると、デフォルト以外のものを選ぶことが少ない。」
この論点の典型例として臓器移植ドナー制度の例が掲載されています。ドナーへの同意が8割以上の国は明示的に拒否していないと自動的にドナーに登録する制度になっている国、この比率が3割以下の国は明示的同意がないとドナー登録がなされない国だった・・・。日本人にとってはこうした状況は会議などでよく見られますね。ベースとなっているものとは自分は異なるという見解を表だってその場で表明することは避けたがります。後で聞くと、自分はホントは反対だったんだけどね…という言葉が出てきたりするのはそ同じような状況です。
こうした行動経済学の考え方は、わたしがお薦めしているEQマネジメントの有効性と通じるものがあります。チームメンバーの一人ひとりが自分の行動を論理的合理的に考えればそう行動すべきだとわかるはずなのに、なかなかその行動につながらない・・・こうした状況は、チームマネジメントだけではなく、組織全体のマネジメントにも同じような現象が見られることがあります。
この論考でも記載されている「損失回避」行動もその一つです。
わたしたちは、「快」が多いよりも「痛」が多いほうを避ける傾向があります。例えば、コインの裏表ゲームで2つのゲームがあるとします。一つは、表が出たら5千円獲得、裏が出たら0円というルール。もう一つは、表が出たら3万円獲得、しかし裏が出たら1万円を差し出さなければならないルール。一つ目のゲームの期待値はプラス2500円。二つ目のゲームの期待値は、プラス1万円! でも、多くの人が、最初のゲームを選ぶのではないでしょか。損失は絶対にない…つまり「痛」は確実に回避できるという点です。
※論考のキーワード解説・・・「同額の損失と利得では、損失による満足度の低下の方が、利得による満足度増加より大きいこと。同理論では、同じ大きさでは、損失の方が、利得の2.5倍大きく感じられる」。
行動経済学のこの「人間行動に限られた時間の中で直感的に意思決定する特性がある」という部分、EQマネジメントの考え方でもとても重視しています。
頭では分かっているが行動できない場合、望ましい行動へのきっかけを創ったり、行動の手助けをする情報提供の仕方やコミュニケーションの方法、チーム行動規範やルール等仕組みを、EQの観点を活用した上で展開していけば、チームや組織にとって望ましい行動を促進し、経営課題の解決につなげることができるでしょう。
2012年01月16日
行動経済学の観点をチーム組織の行動変容に活用する
posted by FUJICO at 12:02| EQマネジメント
2011年10月05日
J&J「メディカルカンパニー」全経営層にコーチング導入
先日3日(月)の日経新聞で、米医療日用品大手ジョンソン・エンド・
ジョンソン(J&J)の日本法人が、最大の社内カンパニー「メディカル
カンパニー」の経営層10名に指導力や意思疎通力を向上させる
「エグゼクティブ・コーチング」を導入してから1年経過したとの記事が
掲載されました。
その記事の中で、とても印象的なコメントは、メディカルカンパニー
副社長の日色保氏の以下のコメントです。
「コーチングは、期待される成果を上げていない人向けの支援と
思っていたが、そうではないとわかった」
日色氏にとって、コーチは、「鏡のような存在」で、後ろ姿も合わせ
鏡で見せてくれる客観的な視点を得られるとその効果を語っています。
コーチングを受ける過程で、「強引なだけではビジネスを進められない」
ということに気づき、自分のアプローチを振り返り、自分の強みと弱みを
振り返りながら組織を成功に導くマネジメントのあり方を自ら気付いて
軌道修正していることがわかります。
組織の中での位置づけが上位層になればなるほど、「影響力」に
ついて自分の力量を冷静に見つける機会が必要になってきます。
企業の商品・サービスの付加価値は、すべて現場で生み出されて
いますので、そうした現場の一人ひとりの行動を創り出している
現場リーダーへの影響力がその企業の成長性を大きく左右します。
皆さんの会社でも、「自分の強みと弱みを振り返りながら
組織を成功に導くマネジメントのあり方」を学ぶさまざまな機会や
仕組みが運用されているかと思います。
私は、十数年前にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のニュージャージー州
ニューブランズウィックにある本社にて、「Our Credo」と経営に関する考え方
について学ばせていただいた際に、この企業の根幹にある信念のすばらしさを
痛感して以来、いつも注目している企業ですが、その、「Our Credo」には、
「能力ある人々には、雇用、能力開発および昇進の機会が平等に与えられ
なければならない」という一節があります。それが、実際に今でも実践されて
いることに企業成長の根幹を確認できます。
コーチングもファシリテーションも、対象が「個人」なのか「プロセス」なのかの
違いがあるだけで、基本的には現在の状態から、目指す状態を実現する
ために伴走サポートする「はたらきかけ」ということでは同じです。
あまり、この両者の違いを論じても意味が無いので、いつも一緒にお話を
していますが、こうした「はたらき」をうまく活用して、個人の成長を促進し
ながら、その個人が影響を及ぼす対象やチームの良好な変化を生み出し、
全体としての企業成長を実現していくという組み立て自体は、非常に有効
なアプローチだと想います。
そして、これまでのサポート経験からわかることは、自分自身がコーチングや
ファシリテーションのサポートを受けて新しい変化を生み出したり、自分が
関係する他者への影響力の変化を体感した方は、自分自身が次には、
コーチングを行ったり、ファシリテーションを行って、目の前の状況や対象者
が望ましい変化を創出する動きをサポートする働きかけをしようと試みるよう
になっていきます。
人はなかなか客観的になれなかったり、自分のポテンシャルを引き出して
いくことが難しい場合がありますが、そんなときは、コーチやファシリテーター
のサポートを受けてみると、新しいチャンスや変化を感じられることと想います。
そうした新しいチャンスや変化を創出していきたいというリーダーには、
自分のステップアップを客観的な立場からサポートするしかけを活用する
方法として、一度調べてみるのもよいですね。
コーチングやファシリテーションサービスは、今では、いろいろなアプローチ
が行われています。皆さんにあった雰囲気や考え方で展開しているところ
をいろいろ探索してみられるとよいでしょう。
弊社では、ご本人の方の“ほんね”と向き合って一緒に目指すところに
進んでいく“アットホーム”なコーチング&ファシリテーションサポート
をご提供させていただいておりますので、そうした雰囲気がお好きな方は、
お気軽にご相談ください。
それでは、また来週!
フジコーポレーション株式会社
ファシリテーター(企業変革人材養成サポーター)
加 藤
ジョンソン(J&J)の日本法人が、最大の社内カンパニー「メディカル
カンパニー」の経営層10名に指導力や意思疎通力を向上させる
「エグゼクティブ・コーチング」を導入してから1年経過したとの記事が
掲載されました。
その記事の中で、とても印象的なコメントは、メディカルカンパニー
副社長の日色保氏の以下のコメントです。
「コーチングは、期待される成果を上げていない人向けの支援と
思っていたが、そうではないとわかった」
日色氏にとって、コーチは、「鏡のような存在」で、後ろ姿も合わせ
鏡で見せてくれる客観的な視点を得られるとその効果を語っています。
コーチングを受ける過程で、「強引なだけではビジネスを進められない」
ということに気づき、自分のアプローチを振り返り、自分の強みと弱みを
振り返りながら組織を成功に導くマネジメントのあり方を自ら気付いて
軌道修正していることがわかります。
組織の中での位置づけが上位層になればなるほど、「影響力」に
ついて自分の力量を冷静に見つける機会が必要になってきます。
企業の商品・サービスの付加価値は、すべて現場で生み出されて
いますので、そうした現場の一人ひとりの行動を創り出している
現場リーダーへの影響力がその企業の成長性を大きく左右します。
皆さんの会社でも、「自分の強みと弱みを振り返りながら
組織を成功に導くマネジメントのあり方」を学ぶさまざまな機会や
仕組みが運用されているかと思います。
私は、十数年前にジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)のニュージャージー州
ニューブランズウィックにある本社にて、「Our Credo」と経営に関する考え方
について学ばせていただいた際に、この企業の根幹にある信念のすばらしさを
痛感して以来、いつも注目している企業ですが、その、「Our Credo」には、
「能力ある人々には、雇用、能力開発および昇進の機会が平等に与えられ
なければならない」という一節があります。それが、実際に今でも実践されて
いることに企業成長の根幹を確認できます。
コーチングもファシリテーションも、対象が「個人」なのか「プロセス」なのかの
違いがあるだけで、基本的には現在の状態から、目指す状態を実現する
ために伴走サポートする「はたらきかけ」ということでは同じです。
あまり、この両者の違いを論じても意味が無いので、いつも一緒にお話を
していますが、こうした「はたらき」をうまく活用して、個人の成長を促進し
ながら、その個人が影響を及ぼす対象やチームの良好な変化を生み出し、
全体としての企業成長を実現していくという組み立て自体は、非常に有効
なアプローチだと想います。
そして、これまでのサポート経験からわかることは、自分自身がコーチングや
ファシリテーションのサポートを受けて新しい変化を生み出したり、自分が
関係する他者への影響力の変化を体感した方は、自分自身が次には、
コーチングを行ったり、ファシリテーションを行って、目の前の状況や対象者
が望ましい変化を創出する動きをサポートする働きかけをしようと試みるよう
になっていきます。
人はなかなか客観的になれなかったり、自分のポテンシャルを引き出して
いくことが難しい場合がありますが、そんなときは、コーチやファシリテーター
のサポートを受けてみると、新しいチャンスや変化を感じられることと想います。
そうした新しいチャンスや変化を創出していきたいというリーダーには、
自分のステップアップを客観的な立場からサポートするしかけを活用する
方法として、一度調べてみるのもよいですね。
コーチングやファシリテーションサービスは、今では、いろいろなアプローチ
が行われています。皆さんにあった雰囲気や考え方で展開しているところ
をいろいろ探索してみられるとよいでしょう。
弊社では、ご本人の方の“ほんね”と向き合って一緒に目指すところに
進んでいく“アットホーム”なコーチング&ファシリテーションサポート
をご提供させていただいておりますので、そうした雰囲気がお好きな方は、
お気軽にご相談ください。
それでは、また来週!
フジコーポレーション株式会社
ファシリテーター(企業変革人材養成サポーター)
加 藤
posted by FUJICO at 08:00| EQコーチング
フジコーポレーションの代表・加藤です。FUJICOでは、企業内の管理職、部下を持つリーダー向けにリーダーシップ力を高める、また、「EQ」理論を応用したマネジメント法で業績向上のための研修プログラムをご提案しています。